学園長 訓話

 おはようございます。

 今日は、時間について皆さんに考えてほしいと思います。
 人間の体の中に時間を感じる場所はあるのか、知り合いの医学者に聞いてみました。 光を感じる目の網膜、音を感じる耳の鼓膜、痛みを感じる皮膚などと違い、人間が時間を感じる器官はありません。 では、人間はどのように時間を感じるのか。それは、人間が心理的に影響を感じているストレス。ストレスを人間が感じると時間が長くなるということです。 時間の感覚が相対的に長くなる。だから、約束の時間に遅れてしまった、どうしようと思ったらストレスを感じて、時間が長くなる。 電話をかけてベルが鳴っているのに、相手がでない。電話のベルを10回、20回鳴らす時間は、ものすごく長く感じる。 ところが、相手が電話に出た後の10分、20分はあっという間に過ぎてしまうと感じる。 これはどういうことかというと、電話を待たされているといういらいらのストレスが時間を長く感じさせるのです。 嫌だと思ったら時間は長くゆっくり経ちます。そのストレスが無くなった瞬間に、時間の進み方はとても早く感じるようになります。 嫌だと思わないで楽しいと思えば、時間はあっという間に過ぎてしまいます。
 諸君らに「春休みを楽しく過ごしてください」と言いたいけれど、楽しく過ごしたら春休みはあっという間に終わってしまいます。 少なくとも楽しかったらあっという間に終わってしまっているはずです。長く春休みを過ごしたかったら、毎日嫌なことをしたらいいと思います。 でも、そんなことは嫌でしょ。嫌なことをして時間を長く過ごすよりも、楽しいことをして結果的に見たらあっという間に春休みが終わってしまってもいいではありませんか。

 諸君らに学んでもらっているTM(タイムマネジメント)は、時間というとらえようのないものを上手く使うためのものです。 私にも1日24時間、諸君らにも1日24時間、どんな人にも平等に1日24時間は与えられています。 あらゆる人に平等に与えられている時間を活かして使うためのTMを、ぜひこの春休みも来年度もきちんと取り組んでもらって、楽しく、有益に過ごしてほしいと思います。 後になって振り返ると、あっという間に終わってしまった時間があってもいいと思います。ぜひ、楽しい活かした時間の使い方をするように諸君らにお願いしたいと思います。


2014年3月18日 学園長 西 和彦