学年部長 挨拶


 中高一貫8期生の皆さん、卒業おめでとうございます。先ほどの学園長先生の式辞のテーマは「誕生日」でした。私の1つ目のテーマは「目線」です。

 日頃から生徒の皆さんをみていて、勉強する人とあまり勉強しない人の違いはどこにあるのかなということを考えています。 色々あると思いますが、その中の一つが、目線が違うのではないかと思います。 勉強をよくする人は、将来こういうことをしたいとか、将来こんな人になりたいというように、将来に目線が向いていると思います。 反対に、あまり勉強しない人は、今日家に帰ったら何をしようとか、明日は何をしようとか、週末はどう過ごそうとか、短期的な視点になっているのではないかと思います。
 なぜそうなるかというと、勉強には2つの特性があるからです。 1つ目は、将来の目標や希望をかなえるために勉強は不可欠だということです。将来の目標を持っている人は、必然的に勉強するようになると思います。 2つ目は、勉強は一ヶ月、あるいは数か月、あるいは数年続けないと効果がでません。1日2日勉強しても何の効果もでません。今日や明日の快楽を求める人は、勉強しても求めることを得ることができません。 むしろ勉強よりも、テレビとかゲームとかインターネットとかをした方が、短期的な快楽を得ることができます。 たとえ勉強しても、宿題をするとかテスト対策をするとか、いわゆるやらされる勉強で終わってしまいます。
 このように、勉強する人とあまりしない人には目線の違いがあると思います。しかも、私たちの周りにはテレビやゲームなどの短期的な快楽を満たすものがたくさんあります。 どうしても長期的な視点がもてず、勉強を続けることが難しい状況だと思います。
 今日中学校を卒業する皆さんに、自分の目線がどちらを向いているのか、長期的な目線を持っているかどうか、短期的な目線しかないのか一度確認していただきたいと思います。

 2つ目の話をします。君たちの学年部長になり約9か月経ちます。君たちもうすうすわかっていると思いますが、私の学年部長は一時的なものでしかありません。 あくまでも君たちを担当するのは、吉村先生であり、現在の学年の先生方です。私は学年部長になりましたが、君たちの授業を受け持つことはありませんでした。 日々の学校生活、あるいは行事や研修旅行でも、表だった仕事は吉村先生や学年の先生にお任せして、私は影の存在に徹しました。 何故なら、吉村先生を始め学年の先生方に成長してほしかったからです。 特に吉村先生は、この半年間横で見ていましたが、君たちのことを一生懸命考えて、色々なことに取り組んでいて、立派な学年部長になれると思いました。 それゆえ、私は表に出ることはありませんでした。しかし、今振り返ると、君たちの素行が悪くて一日目の夜に「日本に帰るぞ」と失叱責したアジア研修旅行や、 雨ばかり降っていた高野山のサマーキャンプ、たった3日間しか参加しなかったアメリカ研修旅行、どれも楽しく、有意義な時間でした。君たちにはとても感謝しています。 君たちもご存じのとおり、私は君たちの1つ下の学年の9期生の担当もしています。 私を始め9期生にとっての君たちの存在はいい先輩というだけではありません。君たちは目標です。 9期生にとって君たちは、追いつけ追い越せという存在です。そのことを忘れずに、高校生活を過ごしていってください。 君たちのことを応援しています。期待もしています。高校生になっても頑張ってください。



2014年3月18日 学年部長 下地 英樹