理事長 式辞


 中高一貫8期生の皆さん、須磨学園中学校ご卒業おめでとうございます。この3年間を振り返ると、皆さんは本当に色々なことを学び経験して大きく成長されました。 皆さんのご家族は、立派になられた皆さんの姿を見て心から喜んでおられることと思います。私たちも皆さんの成長を嬉しく思います。

 この式は、一つの区切りの時だと思います。今まで切れ目なく続いてきた学校生活において、皆さんにとってはこの春はS1からS2になられることを自然と受け止めておられるかもしれませんが、 卒業式のこの日は義務教育が終了した日であること、そして、皆さんが子どもから大人になる区切りの日であることを自覚していただきたいと思います。
 では、子どもと大人の違いはどこにあるでしょう。私が、この人は子どもだなという人はどういう人かというと、自分の思い通りにならないことがある時、 世の中の多くのことは自分の思い通りにならないのですが、その時にだだをこねたり、わがままを言ったりする人は子どもだと感じます。 他にもすねる、自分の思い通りにならないことを相手のせいにする、自分に足りないことがあったことを反省しない、他人に迷惑をかけても謝らない、そういう人が子どもだと思います。 程度の差こそあっても、皆さんにも多少はそういうことがあると思います。私を含めて、大人にもそういう部分が残っています。 子どものまま大人になってしまう人がいます。それは実に恥ずかしく、情けないことだと思います。

 わがままは、1度や2度なら許されることもあります。皆さんのわがままは、周囲の人たちから許されることが多いでしょう。 でも、2度3度とわがままを重ねてきている人に言いたいことがあります。 そろそろわがままをいい加減にして、自分のやったこと、自分でやらなかったこと、自分で言ってしまったこと、言わなかったことの責任を負ってください。 責任を負うということは、自分のしたことを自分の問題として受け止めて逃げないことです。 たとえその問題が解決できなくても、何がいけなかったのか考えることです。感情的な反応をするのではなく、理性的な解決を探っていきましょう。 自分はどうすればいいのか、どのようにするべきなのか、と幼い自分に言う大人の自分を育てて下さい。そういう理性を獲得していただきたい。 他人とトラブルがあったときに、感情の赴くままに怒ったり泣いたりするのではなく、相手の立場にたって想像力を働かして考えてみる。 これはイマジネーションの問題です。相手が何を思っているか、相手はどういう人なのかを考える。それは実はとても難しいことです。
 考えた後で、次に何をするか。私は考えたことを相手にぶつけるということが、一番いいことだと思っています。 でも、相手が受け止めてくれなかったときはどうするか。自分の考えたことを大人に聞いてみてください。 周りの大人、先生やご両親、先輩に聞いてみても、周りの大人は皆さんの求める答を持っていないかもしれません。 そんなこと知らないといわれるかもしれません。でも、自分で考えて出した答えには意味があると思います。正しいとか正しくないとかは関係なく、自分で出した答えには意味があると思います。 私はこれから皆さんにそういう学びを期待しています。皆さんのさらなる成長を願って、これからも応援していきたいと思います。

 卒業おめでとうございます。



2014年3月18日 須磨学園 理事長 西 泰子