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2024年度第3学期終業式 高校校長訓話

 おはようございます。3学期の終業式にあたり話をします。

 新たな年の幕開けを迎えてから、あっという間に早2ヵ月以上が過ぎ、3学期の終業式の日を迎えました。そしてまもなく学校としての年末・年始の時期という年度の節目 ― 学校としての正月 ― を迎えようとしています。

 今年度も、皆さんの姿勢が学園に大きな力を与えてくれました。文化祭での笑顔、体育祭での躍動、研修旅行での姿勢、部活動での活躍など、皆さんの様々なことに前向きに取り組む姿が、教職員をはじめ周囲に大いなる感動を産み、学校としての大きな希望となりました。ぜひこれらすべての経験をそれぞれしっかりと胸に刻んで、次のステージにもつなげていくという気概をもって大切にしてほしいと思います。

 東日本大震災が発生した日付である今週の3月11日には、全校で避難訓練、そして消防局の方による研修を行いました。残念ながら雨天のため、屋内版での実施となり、防災ウォークについても中止となりましたが、様々なことに思いを馳せる節目の機会になったことと思います。

 皆さんはこの日にどのように臨み、どのようなことを感じたでしょうか?当日の講評でも述べましたが、防災は結果がすべてです。災害時などにおいて、いくら想定通りに、迅速に、そして誰かに言われた通りに動いたとしても、命が失われてしまったらそれまでです。逆にのんびり行動していたとしても、誰かに言われた指示通りに動かなかったとしても、命が奪われなければ結果的にはそれはそれでよかったと思うこともできます。

 しかしどのような準備や行動があれば最良の結果に結びつくのか…、正直結果というものは事前には誰にもわかりません。いつ何時どのような事態が生じ、どのような準備・想定があれば万全であるのか、またはその準備・想定をはるかに上回る事態への対応をいかに考え、いかに実行すればよいのか、などについて、事前にすべてをわかることなど誰にもできないと思います。

 しかし、わからないからそれで終わり…、考えても無駄である…、と言ってあきらめるのではなくて、わからないからこそ考え続けることが大切なのではないでしょうか?確かに、災害や事故などいつ起こるかもわからない…、災害の規模について考えてもわからない…、いくら想定しても無駄になるかもしれない…、いくら準備しても通用しないかもしれない…、そしてそもそも何をどのように考えればよいのかもわからない…、ということもあると思います。

 しかし、それでも、目を背けずに考え続けるしかないのだと思います。わかろうとするよりも、考えること自体、考え続けること自体が、いざという不測の事態における有益な経験となるものであると捉えるべきなのかもしれません。当然のことではありますが、我々は考えることができる分、「考えてもいなかった」という事態には非常に弱い側面があります。「考えたことがある」「考え続けてきた」という経験がいざというときには非常に大きな意味を持つと思います。考えもしないようなことに対応するためにも、普段「考える」ことに向き合うべきなのだと思います。

 そしてこれだけは確信できます。「考える」ということについて、人任せにしてはいけないということです。危険があれば誰かが知らせてくれる、誰かが考えてくれている、誰かが用意してくれている、誰かが連絡をしてくれる、いざというときは誰かが自分を助けてくれる…普段からこのような受動的な姿勢でいることには大いに問題があると思います。

 あの有名なアインシュタインも、『人は自分の考えを持たなければならない。自分の考えを持つことが、真の知識を得るための第一歩である』と言っています。少なくとも、自分自身のことは自分で考えることが大切なのです。何事もそうです。今日はせっかく大きな節目の日なので、防災のことだけではなく、ぜひ自分の勉強や部活動、そして人間関係や遊びのあり方など、たくさん自分のことについて振り返って、そして未来のことも想像して考えてみてください。やはり命を守る防災への備えも、目標に向けた取り組みも、原動力は「自分」でなければならないのです。少なくとも、自分の意志に反して、あるいは何も考えずに、誰かに流されるような生き方は避けなければなりません。自分が何かを成し遂げたいと思うなら、誰かに任せるのではなく、自分で考えて動いてほしいと思います。そこに自分の意志や希望や主体的な思考が伴っていてほしいのです。自分でペースを考えて、自分で強弱をつけて、自分で工夫をして、自分の状況を踏まえながら自分で判断できる人であってほしいと思います。大切なことは、自分の判断や行動を誰かに任せたり、誰かの言うとおりにしか動けなかったり、という姿勢からは脱却するということです。勉強も部活動も、そして先日から伝えている防災についても、すべて主体が「自分」であるべきです。そうでなければ、何事も真価や真髄に近づくことはかなわないと思います。

 ただ本当に言いたいことは、独りよがりやわがままでよいということではありません。自分で考えることこそ、自分を大切に思う周囲の人たち、そしてその道で経験や見地のある人たちの考えや思いを受け入れることの真の価値を見出すことにつながるものと考えています。つまり、自分の飛躍のために、周囲の大切な人たちや先に経験している人たちの考えを糧とする柔軟な姿勢を育むためにも、ただの受け身ではなく、まずは自分で考える人であってほしい、周囲に溢れている価値を集められる人であってほしいということです。皆さんが、何事においても主体的に考える習慣を通して柔軟に周囲の考えを吸収し、未来の「なりたい自分」、そして大切な誰かを守ることができる強さを育んでくれることを期待しています。まずは新学年を間近に控えたこの春休みにおいて、ぜひ自分で考えて、自分の思いに基づく主体的な姿勢と行動を心がけてください。

 さてS1学年の皆さん、本日は中学校卒業という大いなる門出の日です。全員でよい卒業式にして、力強く高校生活への一歩を踏み出してくれることを期待しています。

 そしてK2・V1学年の皆さん、まもなく最上級生としての生活がスタートします。まもなく満開を迎える桜のごとく、これまで培ったものを大いに花開かせるときがきました。これから学校行事などあらゆることが「高校生活最後の…」という枕詞のつく機会となると思います。大いに元気を出して悔いなく取り組み、須磨学園がパワーを充電するための大きな推進力となってください。期待しています。

 さあそれでは全校生の皆さん、全員で今日という日をよい日に、そして明日から有意義な春休みを過ごし、4月からこの丘の上で、新学年生として、中高それぞれの新入生を加えた全員で、たくさんの未来へのパワーを産み出していきましょう。

2025年3月15日 高校校長 堀井 雅幸