桜のつぼみの膨らみが春の訪れを告げる頃となりました。本日はこのような盛大な式を挙行していただき、誠にありがとうございます。また、ご多忙の中、ご臨席頂いた先生方、保護者・来賓の皆様に深く御礼を申し上げます。
私達中高一貫十六期生は大勢の方々の支えがあって、今ここにいることができています。
理事長先生。先生の力強いお言葉一つひとつは私達の胸を打ち、変化し続ける社会の中で芯を持って生きる力を授けてくださいました。
学園長先生。先生の思考や対応の柔軟性はここ須磨学園という組織に十全に反映され、その中で学ぶ私達にいつも新しい視点を授けて下さいました。
岡田先生。部長の仕事から私達の日々の課題準備、FCの更新やこまめな掃除まで、私達が高い水準で学べるような基盤をつくってくださいました。ここまで六年間、大変苦労をおかけしたと思いますが、今の私達になら胸を張って「すごい集団」だと言ってくださるでしょうか。
小森先生。一刀両断の小森節をもう聞けないことに、いささか名残惜しい気持ちはありますが、先生のお陰で確実に成長した私達は、今ほとんどが成人し、自立した大人への一歩を踏み出すことができました。
田中先生。添削に次ぐ添削での過重スケジュールのなか、毎日英文解釈の丁寧な解説を書いてくださったことが印象に残っています。先生のおかげで英語も日本語も長文が得意になりました。
樋口先生。先生の万物に対する探求心と仕事への熱意はいつも波紋のように私達に伝播し、「何度間違おうとも気合いで最後までやりきろう」という心意気を私達に与えてくださいました。
岡坂先生。ご自身に対してはかなりストイックですが、私達に対しては尽きることない優しさとともにどこまでも生徒目線で接してくださり、体育の授業がなくなった後も私達をずっと精神面で支えてくださいました。
吉村先生。独特な間合いと気の利いたユーモアをお持ちの先生と過ごす時間はとても心地よく、先生の終礼のように、光の速さで過ぎ去ってしまいました。
福川先生。己の知性を顕示せず私達に寄り添う親身さは私達が辛い時の心の拠り所になり、先生の言う通り実直に演習を重ねた経験が、私達を自分への不信感から救ってくれました。
そして、担任の横岡先生。いつも修辞と風刺を教えてくださる先生に、今日は勇気を出して心からの感謝を伝えさせてください。授業や対話を通して教えてくださった先生の考え方は確実に私達の中で培養され、変質しながら私達の一部になっています。多感な私達の中高生時代を、国語という学問でもって導いてくださったのが横岡先生で良かったと、心の底から思っています。
16期生の皆さん。私達は何度もテストを受け、何度も研修旅行に行き、何度もプレゼンテーションをさせられ、何度も台風の襲来に喜び、何度も体育祭で叫び、何度も大場先生のギャグに笑ってきました。
これ程たくさんの経験を共有してきた私達の六年間は、決して簡単に得られるものではなく、だからこそ簡単には捨てられない縁のようなものになっていると思います。それが良縁であれ悪縁であれ、今の「あなた」という存在は様々な縁でもって成り立っていることを、大学で少し孤独を感じたときなどに思い出してみてください。本当に、楽しい六年間でした。
また、私達の今は、その他にも大勢の方々の協力あって存在しています。夜遅くまで個別指導をしてくださった先生方、毎日送迎とお弁当で私を支えてくれた父母、そして周囲の全ての方々に対して、改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
今日、私達は須磨学園を卒業します。私達が持ち寄ったひたむきな心は相互に響き合い、丘の上で語らった希望は今現実になりつつあります。宿縁ともいうべき縁によって結ばれた私たちが、今日という晴れの日を契機に、更なる飛躍を遂げることを信じてやみません。
最後になりましたが、須磨学園の更なるご発展をお祈りし、答辞の言葉とさせていただきます。
2025年3月1日 V2学年卒業生代表